火災報知器種類
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火災報知器は「定期点検が義務」であり、耐用年数はおおむね10年が目安です。 感知器や受信機は経年劣化で誤作動や不作動のリスクが高まるため、点検と更新が不可欠です。
🔎 点検の必要性
- 消防法に基づく義務:建物の所有者・管理者は半年ごとの「機器点検」と年1回の「総合点検」を行い、消防署へ報告する必要があります。
- 安全確保:火災時に確実に作動しなければ意味がなく、誤作動や不作動は人命・財産に直結します。
- 劣化の影響:内部電子部品や半導体は経年で劣化し、見た目に問題がなくても性能低下や誤報につながります。
⏳ 耐用年数の目安(主要機器)
| 設備 | 耐用年数(目安) | 補足 |
|---|---|---|
| 煙感知器 | 約10年 | 環境によって短縮あり(埃・湿気・油煙) |
| 熱感知器(半導体式) | 約10年 | 高温環境では短縮 |
| 熱感知器(定温式) | 約15年 | 比較的長寿命 |
| 受信機(P型・R型) | 約15〜20年 | 電子部品劣化で更新推奨 |
| 発信機(手動押しボタン) | 約20年 | 機械式で長寿命 |
| 誘導灯・非常用照明 | 約10年 | バッテリー寿命に依存 |
| 消火器 | 住宅用:約5年/業務用:約10年 | 圧力計や腐食で交換判断 |
| スプリンクラーヘッド | 約15〜20年 | 配管は約20〜30年 |
✅ 実務ポイント
- 更新計画:耐用年数を迎える前に計画的に更新することが推奨されます。
- 点検記録:不具合があれば是正・再点検を行い、報告書に記録。
- 環境要因:厨房や工場など特殊環境では寿命が短縮されるため、早めの交換が必要。
まとめ
- 点検は法律で義務化されており、怠ると罰則や保険不適用のリスクがあります。
- 耐用年数は10〜20年が目安で、種類や環境によって変動します。
- 計画的な更新と定期点検が、安全とコスト管理の両面で最も重要です。
火災報知器スポット型感知器の比較表
| 種類 | 感知方式 | 主な設置場所 | 機器価格(工事費別) | 耐用年数(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 光電式スポット型 | 煙粒子による光の乱反射を受光部で検知 | 一般的な室内、事務所、ホテル客室、廊下など煙が発生しやすい場所 | 機器単価:約3,000〜6,000円/工事費別途 | 約10年(環境により短縮あり) |
| 赤外線式スポット型 | 炎から発生する赤外線放射を検知 | 倉庫、寺社仏閣、文化財施設、屋外の放火監視など炎を直接検知したい場所 | 機器単価:約20,000〜40,000円/工事費別途 | 約7〜10年(屋外設置は短縮傾向) |
| 定温式スポット型(低温式) | 周囲温度が一定値に達した時に作動 | 機械室、厨房、ボイラー室など急激な温度上昇が想定される場所 | 機器単価:約2,000〜5,000円/工事費別途 | 約10年 |
| 差動式スポット型 | 一定時間内の温度上昇率を検知 | 倉庫、工場、電気室など温度変化が急激な場所 | 機器単価:約2,000〜5,000円/工事費別途 | 約10年 |
補足
- 光電式は最も一般的で、煙検知に優れるため住宅・事務所で広く採用。
- 赤外線式は炎そのものを検知するため、文化財や屋外監視に有効。ただし価格は高め。
- 定温式(低温式)は一定温度で作動するため、誤報が少なく厨房などに適する。
- 差動式は温度上昇率を検知するため、緩やかな温度変化では作動しない特性がある。
火災報知設備に用いられる煙感知器は、接続する受信機の種類(P型・R型・GR型)によって通信方式や機能が異なります。以下にそれぞれの特徴を表形式で整理しました。
P型・R型・GR型用煙感知器の比較
| 種類 | 接続方式・特徴 | 感知器の動作・表示 | 主な用途・設置場所 | メリット/デメリット |
|---|---|---|---|---|
| P型用煙感知器 | - 個別配線方式(警戒区域ごとに共通線で受信機へ接続)<br>- シンプル構造 | - 火災発生時は「地区表示灯」が点灯し、区域単位で発報 | 小規模〜中規模建物(マンション、事務所、店舗など) | ◎構造が簡単で施工費が安い<br>△感知器単位の特定は困難(区域単位のみ) |
| R型用煙感知器 | - 伝送方式(感知器から固有番号付き信号を受信機へ送信)<br>- デジタル表示対応 | - 火災発生時は受信機に「感知器番号」や「区域番号」を表示 | 大規模建物(病院、学校、工場、複合施設など) | ◎感知器単位で火災位置を特定可能<br>◎配線量が少なく施工費削減<br>△機器価格はP型より高い |
| GR型用煙感知器 | - ガス漏れ検知機能付きR型(火災+ガス漏れを同時監視) | - 火災信号とガス漏れ信号を区別して受信機に表示 | ガス設備を有する建物(工場、研究施設、飲食店など) | ◎火災とガス漏れを一体監視<br>△機器価格・システム構成が高額 |
補足説明
- P型は「警戒区域単位」での発報が基本。感知器単位の特定はできないため、小規模施設向け。
- R型は「感知器単位」での特定が可能。大規模施設での迅速な火災位置特定に有効。
- GR型は「R型の拡張版」で、火災とガス漏れを同時に監視できる特殊用途。
